正夢オンザラン


正夢オンザラン 脚本:小野寺 経亭

  • 五人以上
  • 映像用

 

主要人物

モブ

  • ファミレス店員
  • その他客
  • 友人
  • 彼女
  • 女の子

 

シナリオ

夢を見た。
ファミレスに入ってハンバーグを食べた俺。
いつも必ず頼むドリンクバーを我慢して
少し贅沢なおろしハンバーグ定食を平らげたあと
タバコを一服ふかしてレジでお金を払った。

そこでおつりが100円多いことに気付く。
しかし日曜の昼の忙しい店内へと消えていった店員さんへ
声をかけるタイミングを失った俺はその100円を
財布へとしまった。
これはささやかな幸せとして受け取っておこう。

そこで目が覚める。

その日は友人と駅で待ち合わせをしていたが、
寝坊して遅くなると連絡を受けた。
朝食をとっていないために空腹で
それを満たすためにファミレスに立ち寄った。

給料日の今日、少し贅沢をしようと
ハンバーグ定食を頼む。
そこで店員は「セットでドリンクバーはお付けしますか?」と尋ねる
が、やはりハンバーグの味を純粋に味わうには
水だと思い、「お冷で結構です」と告げた。

タバコを一本吸った後に伝票を持ってレジへ向かう。
店員さんの顔に見覚えがあった。
どこかで会ったことある人だろうか?
疑問に思いつつ差し出されたおつりを受け取ると
その店員さんはすぐにお客さんの呼ぶテーブルに
走って行ってしまった。

そして手元のおつりが100円多いことに気付く。
夢と同じだ。

その時はそんなこともあるんだくらいにしか
思っていなかったが、それはことごとく続いた。

ある日は家の物置を掃除していたら一万円を見つけたり
ある日は抽選で旅行が当たったり
そしてその夢は現実にも的中した。
しかもその夢はすべて自分が幸せになるような夢だった。

これは素晴らしい力を手にいれたと
気分を良くした俺はいよいよ
誰かを幸せにできないかとかんがえるようになった。

いつもは行列でなかなか入れないラーメン屋も
あっさりと入れた夢を見た日は彼女を誘ってみたり

競馬で勝つ夢を見た日には
半信半疑の友人を誘っておどろかせたりした。

しかしだれかに夢を共有するにつれ、
ゆめの内容はだんだんと幸せから遠ざかっているようだった。
自分が不幸になるわけではなく、
周りの人間の不幸を知らせる予知夢の様なモノに
変わっていった。

友人が寝坊してバイトを遅刻して怒られる夢や
弟が転んで足をくじいて病院に行く夢など

それでも俺はその予知夢で人を救えるならと
友人には寝る前にアラームをかけ忘れるなと
弟には今日は駅の階段は使うなと警告せずにはいられなかった。

そして今日の夢は最高に目覚めが悪かった。
知らない女の子がボールを追いかけて車道に飛び出したところに
車が来て轢かれる寸前で目覚める。
そんな夢だった

知り合いならまだ連絡をして
今日はおとなしく家にいろとでも言えたが
いかんせんあったこともない女の子だ。

近くの公園であるのは間違いないが
今日は仕事もあるし、ずっとそこで見張っているわけにもいかない
仕方がないと振り切って仕事へ向かった。

だがしかし
運転していても女の子のことが気になる
これも見殺しと言われてしまうのだろうか
どうかこれだけはただの夢であってくれ
そんなことばかりを考えていた時だった

目の前にボールと
それを追いかけて女の子が飛び出してきた

急なことで思わず焦ってハンドルを切り
気付けば目の前にはガードレールと電柱

あの夢で救わなくてはいけなかったのは俺だった。

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